車両保険は、自分の車の修理代等を払ってくれる任意保険のひとつです。保険金額の範囲内なら修理代を全額支払ってくれるので、突然の出費に困ることはありません。
この記事を要約すると…
- 車両保険は一般タイプとエコノミータイプの2種類
- 一般タイプ→保険料高め、エコノミータイプ→保険料リーズナブル
- 車両保険は新車なら一般条件で入るべし
- 保険料を安くしたいなら自動車保険一括見積もり(プレゼントあり)を使う
車両保険の補償内容
車両保険の補償内容は簡単にいえば「自分の車の修理代」です。事故で車が壊れた時の修理代が実費で支払われます。
意外と知られていませんが、修理しても修理しなくても修理代は受け取れるので、修理できる状態でも修理代だけ受け取って新しい車の頭金にしてもオッケーです。
支払いの上限額(保険金額)は契約の時に自動or自分で決める
車種や初年度登録年数によって、およその目安金額が決まっていてその範囲内で自由に設定できます。
オプション扱いなので、入っても入らなくても自由です。もちろん入る場合は、年間保険料が数千円程度上がります。
上限金額が100万円なら、修理金額が100万円以下だったら修理費用が全額支払われます。100万円を超えてしまったら、100万円までしか支払われません。
車両保険に入っておくと、事故を起こしたときの自己負担額がほぼなくなりますので、余裕があれば加入しておくと安心です。
「等級なし」、保険料変動プランが登場
2024年5月、損保ジャパンとトヨタの共同で、等級なしの車両保険が生まれました。
加入者数や事故件数などによって毎月の保険料が変わる「ダイナミックプライシング」式であり、国内初のプランです。保険料の上限額は月1,500円。補償の上限額は10万円。
保険料負担が相対的に重くなりやすい若者を取り込む狙いもあるようですが、市場の反応は以下の通り。ネガティブな意見が目立ちます。
- 自動車保険ではなく新種保険のカテゴリーですね。
- 残価設定ローンのように納入時に理解せずにこの保険に加入する人が出てきそう。
- 事故の多い人がいると保険料が上がるとなると、正直なところ微妙ですね。
- 保証上限が10万円って、ちょっとした擦り傷位かな。 修理は当然トヨタのディーラーへ入庫が条件となるだろうし、価格はどうとでもいじれるよね。
- 月1500円だと年額18,000円ですか。 それで保障が上限10万円だと約5年で保険料と修理費が逆転しますね。
このプランが浸透するのか、他社の保険会社や車メーカーも追随するのかなど、引き続き注目です。
車両保険「一般タイプ」と「エコノミータイプ」の2種類
車両保険の種類は大きく分け2つあって、カバーする範囲によって保険料が異なるので、予算や運転する人のタイプ、車の古さなどによって、選ぶとよいでしょう。
一般タイプの車両保険
一般タイプの車両保険は、「故障」以外のトラブルはフルカバーしてくれると言っていいほど補償範囲が広いので、新車に乗っている方や、免許取り立ての方には加入をお勧めします。
一般タイプの補償範囲は以下です。
- 車との接触
- モノとの接触
- 人との接触
- いたずらによる被害
- 当て逃げの被害
- 火災
- 水害による被害
- 落下物、飛来物との接触
基本的には、何かとぶつかってできた傷は全て一般タイプの車両保険で支払われます。
その分保険料は高めですが、傷を修理するときに自己負担が発生しないので、傷ひとつない車に乗りたい方は加入しておくと安心。
コインパーキングでポールにぶつかり損傷させてしまいましたが、スタンダートタイプの車両保険に入っていたおかげで、全額保険で修理できました。
エコノミータイプの車両保険
エコノミータイプの車両保険は、その名の通り保険料がリーズナブルです。
その分補償範囲が狭くなっていますが、必要最低限の補償は盛り込まれています。
エコノミータイプの補償範囲は以下です。
- 車との接触
- いたずらによる被害
- 火災
- 水害による被害
- 落下物、飛来物との接触
一般タイプとの違いは「モノとの接触」と「当て逃げ」には、支払われない点です。モノとは、ガードレールや自宅のガレージ、自転車などなど。
「私は運転に慣れているから、車対車の事故ならいざ知らず、止まっている壁や電柱にはぶつかりません」という方は、エコノミータイプでも問題ありません。
飛び石被害は「落下物、飛来物との接触」に当てはまります。車両保険で飛び石ヒビ被害フロントガラス交換した記事はこちらでまとめています。
車両保険は入るべきか入らないべきか論争の結論→迷ったらエコノミー
「車両保険は高い」は、車を持っている人なら全員が持っている認識です。
「保険料が高くなるから入らない」という人も多いのですが、実際のところ保険会社と補償内容を吟味すればそれほど保険料は高くなりません。実際にどれくらい高くなるのかを確認した上で、入るべきか入らないべきかを検討しましょう。
まずは、とあるネット系損保の車両保険がある場合とない場合の、見積もり結果を見てみましょう。
車両保険の有無による保険料の違い
- 車両保険あり ……36910円
- 車両保険なし……22320円
※15等級 車両保険75万円 免責金額5-10万
車両保険がある場合とない場合の、差額は14590円です。思ったより、差は出ませんでした。
「それでも高いな」と思ったら車両保険をエコノミータイプにすれば、もっと差額は縮まります。
上記同条件で見積もりしたところ、車両保険エコノミータイプは28930円でした。
なんと、エコノミータイプにしただけで保険料の差額はたった6700円です。これなら、車両保険に入っても良いと思えるのではないでしょうか。
「車両保険はいらないよ」という方は、自分でモノにこすったりぶつけたりすることがほとんどないから「いらない」というパターンが多いのですが、実際に修理代が高額になるのはこすったりぶつけたりした時ではなく「車対車」の事故です。
自分でガードレールや電柱にぶつけた事故の修理代はせいぜい20万円ですが、車とぶつかったら、50万円を超えることも珍しくありません。
エコノミータイプや一般タイプの車両保険に入っていれば自己負担はありませんが、車両保険がなければ自腹で50万円支払って修理するか、新しい車を買うかの2択になります。
そのリスクをたった年間6000円で回避できるのであれば、「エコノミータイプでいいから車両保険に入ること」をオススメします。
ただし、新車に乗るのであればしばらくは一般タイプに加入したほうがいいでしょう。慣れない車で、自分がぶつけるリスクだけではなく誰かが「当て逃げ」をする可能性もあります。
しばらくはいい気持ちで新車に乗りたい方は「安心料」だと思って一般条件で入っておくと良いでしょう。
保険会社が修理代金を値引き交渉することも
余談ですが、損害保険会社が車両保険を使っての修理代金を値引き交渉することも多々あるようです。
たとえばディーラーで車両保険を使って修理する場合、損害保険会社がディーラーに対して「ここの工賃高くないですか?」「3時間かかったとなってますが、2.5時間が妥当です。安くしてください」などと交渉するというのです。
損害保険会社も営利企業なので、保険金はなるべく払いたくない、というのが根源にあります。ですので、値引き交渉する余地がある部分については、きっちり迫ってくるのです。
ちなみに損害保険会社によって交渉の程度は様々であり、大まかに言うと旧来型の大手損害保険会社よりも、ダイレクト系(ネット型)保険会社の方が、値引き交渉が強めの傾向にあるとのことです。保険料がリーズナブルなので、こうしたところでもシビアです。
まとめ
この記事の要点を最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 車両保険は交通事故で車が壊れたら支払われる
- 一般タイプはフルカバー、エコノミータイプはモノとぶつかった場合は対象外
- 車両保険をつけてもネット系損保なら保険料は割高
- エコノミータイプの保険料は格安
- 新車なら一般タイプがおすすめ
車両保険は「車の修理代」を補償する保険です。
エコノミータイプを選べばさらに、保険料は格安になるので、「どうしようかな」と迷っている方は加入することをおすすめします。